症状に応じた適切な治療を行います

より痛みが少なく
より早く社会復帰するための治療

痔の治療は2週間ほど入院が必要であったり、非常に強い痛みがあったりと、辛いイメージが強いと思います。
当院では、「ジオン注射」という注射での治療を行うことで内痔核だけの方は痛みも出血もなく治療ができ、外痔核のある方の場合でも、外痔核だけを切除し、内痔核はジオン注射で治療することで日帰り手術が可能となり、痛みも軽く抑えることができます。

くり返し痔になる方
市販薬が効かない方
痔の手術に不安のある方

痔は薬や手術での治療が必須です。
上記のようなお悩みをお持ちの方は、当院へご相談ください。

妊娠中産後の女性は痔になりやすい”のをご存知ですか?

妊婦さんは子宮が大きくなるにつれて便秘になったり、下腹部がうっ血しやすくなるため、いぼ痔になりやすくなります。
また、産後、授乳をしておられる方は、授乳で水分をとられ、便が硬くなるため、切れ痔を発症しやすくなります。心配な症状がありましたら(出血、排便時痛など)、お早めに受診ください。

便秘に関するコラム

ジオン注射の治療方法

まずは本剤を投与する前に、意識がぼーっとする鎮静剤を用いて、眠った状態で治療を受けていただけるようにします。
その後、本剤をひとつの痔核に対して4か所に分割して投与します。複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。 投与後はしばらく点滴を続け、麻酔の影響がなくなるまで安静にします。
安静後、最後に医師の診察を受けていただき、ご帰宅いただきます。

痔の日帰り手術の流れ

痔の種類と対応する治療法

日本人の3人に1人は痔で悩んでいるといわれています。

痔には大きく分けて「いぼ痔(痔核)」「切れ痔(裂肛)」「あな痔(痔ろう)」に分けられていますが、それぞれ症状は異なります。
痔の患者様の中でもっとも割合が高いのは 「いぼ痔(痔核)」です。
いぼ痔はさらに、直腸側にできる「内痔核」と、肛門側にできる「外痔核」に分けられます。

内痔核が大きくなって脱出するようになると、肛門側の痔核、つまり外痔核を伴って、「内外痔核」という状態になることもあります。

01いぼ痔(痔核)

特徴 排便した時に、出血したり、いぼが出てきたりします。
市販薬で対応している方、もよくおられますが、繰り返し症状が出ている方は、ジオン注射や切除手術をした方が良い場合があります。
症状

【内痔核】
痛みはほとんどありませんが、排便時に出血や脱出(いぼが飛び出る)の症状がでます。
脱出すると異物感や痛みを感じます。

【外痔核】
出血はあまりありませんが、腫れて強い痛みを感じることが多いです。

軽症・重症に合わせた治療方法

坐薬および飲み薬
一日1〜2回、坐薬を肛門に入れていただき、飲み薬を飲んでいただきます。
症状が軽い方、初回の方は、これだけで治まる方も多くおられます。
ジオン注射
内痔核で出血、脱肛のある方は、ジオン注射で治療できます。
処置の時は少し鎮静剤で眠っていただき、肛門鏡を入れて内痔核にジオンを注射するだけです。
日帰りでの治療が可能で、翌日からは痛みもほぼなく、快適に生活できます。
ジオン注射+外痔核切除
内痔核が大きくなり、外痔核を伴っている場合は、ジオン注射だけでは治りません。外痔核にはジオンが効かないためです。
この場合、局所麻酔や腰からの下半身麻酔をかけて、外痔核を切除し、内痔核にはジオン注射を打つことで、痛みも少なく、日帰りで手術を終えることが可能です。

02切れ痔(裂肛)

特徴 切れ痔は硬くて大きな便を無理に出したり、ひどい下痢で勢いよく出した場合に、肛門が切れてしまった状態です。慢性化してくると、見張りイボという小さなイボができてくることもあります。また、外痔核や肛門ポリープが原因で出来てくる随伴性裂肛のタイプの方は、手術が必要になることが多いです。
症状 排便時に強い痛みと出血 があり、排便後も痛みが続くことがあります。

軽症・重症に合わせた治療方法

坐薬軟膏+軟便剤
肛門に軟膏タイプの坐薬を1日1〜2回入れていただきます。これで切れた傷を治します。
さらに、(便のかたい方は)軟便剤を飲んでいただき、便をソフトクリームのような柔らかい状態にしていただき、傷への負担を減らします。これによって多くの方は改善に向かいます。
手術
薬で良くならない方は、切れ痔部分を切除し、キツすぎる肛門括約筋をやわらげる処置をします。この処置は、腰からの下半身麻酔で行います。また、外痔核や肛門ポリープを伴っている方は、これが原因で切れ痔になっていますので、これも切除します。(日帰り手術が可能です。)

03あな痔(痔ろう)

特徴 痔瘻という状態です。初期症状として、肛門の周りが腫れて痛くなります。この時、直腸から肛門にバイキンが入って、膿がたまっています 。この段階で診察に来られた場合は、切開して膿を出します。または自然に破れて膿が出てくる方もおられます。
そして直腸から肛門の横に膿の管が残ります。これがあな痔です。あな痔は切除しないと治りませんが、当院では、ほとんどのあな痔も日帰り手術で治療が可能です。
症状 肛門部が腫れて痛くなり、赤くなったり、熱が出たり することもあります。

あな痔は手術をしないと治りません。

手術
腰から下半身麻酔をし、痔瘻の道を切開します。傷がやや大きく、術後は痛みがあります。
お勤めの方は数日の仕事の休みを取られた方が無難です。

20代〜30代の若い方や、多発痔瘻の方は、クローン病の詳しい検査が必要になる場合があります。
当院ではクローン病の検査、治療も行なっておりますので、安心してご受診ください。

手術費用のご案内

当院の症例に基づく診療実績から目安となる手術費用をご案内いたします。

  • ジオン注射

    15,000円程度

  • あな痔(痔瘻)単純

    16,000円程度

  • 裂肛根治手術

    14,100円程度

  • ジオン注射を伴う
    痔核根治術

    23,000円程度

  • あな痔(痔瘻)複雑

    27,200円程度

  • 裂肛根治手術
    +痔核根治術

    30,500円程度

3割負担の場合の費用となります。

患者様おひとりおひとりに最適な検査、治療を行いますので、費用には多少の変動があります。

手術後の経過に関する注意点

排便が可能となる時期について
排便は翌日から可能です。痛みを怖がって我慢しないようにしましょう。
仕事復帰の時期について
術式によって休んでいただく日数は変わりますので、ご相談ください。
副作用が起きることがあります。定期的に通院してください。
ジオン注射による治療法は、痛みが続く、血が出る、肛門が狭くなって排便がしづらくなる、熱が出るなどの副作用が現れることがあります。
そのため、定期的に通院していただく必要があります。
気になる症状が現れた場合、直ちに受診してください。
普段と違う気になる症状があらわれた場合には、直ちに受診してください。 副作用が隠れていることもありますので十分に検査・診察の上、症状に応じた適切な治療を行います。副作用などに対する処置が必要になった場合には、状況に応じてお薬(炎症を抑えるための抗生物質や消炎鎮痛剤、あるいは便をやわらかくするための緩下剤)の投与、手術などを行う場合があります。
他の医療機関で直腸肛門の診察を受けるときには、必ず本剤による治療を受けたことをお伝えください。
本剤は痔核を固めて治す方法です。治療後は注射した場所が硬くなっていることがあり、この症状を誤って悪い病気と診断される可能性があります。
他の医療機関で直腸肛門の診察を受けられる場合は、ジオン手術による治療を受けたことを必ず申告してください。