Colitis

潰瘍性大腸炎・クローン病は胃腸科の病気の中でも大変特殊な病気です。原因不明で、その診断・治療は多くの経験を積んだ医師でないと困難です。
当院では肛門科と胃腸科の診療技術をあわせて、より正確かつ迅速な診断・治療が可能です。

 

開院より現在まで、128名の潰瘍性大腸炎患者さん、17名のクローン病患者さんの診療実績があります。(平成30年9月現在)

 

当院では、レミケード、ヒュミラ、ステラーラ、その他の生物学的製剤による治療も行っています。

潰瘍性大腸炎とは、下痢・血便・腹痛などを伴う、
原因不明の炎症性疾患です。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の炎症性疾患です。
特徴的な症状としては、下痢、血便、腹痛、粘液便などがありますが、症状が揃わないことも多く、血便の症状だけで、痔ではないかといって受診され、肛門鏡で診断されることも稀ではありません。

 

病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

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難病情報センターへリンクします。

クローン病とは、主に若年者に多くみられる、
下痢・血便・腹痛・痔ろうなどを伴う
炎症性疾患です。

大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患といいます。クローン病も、この炎症性腸疾患のひとつで、1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の内科医クローン先生らによって限局性回腸炎としてはじめて報告された病気です。

 

クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こりえますが、小腸と大腸を中心として特に小腸末端部が好発部位です。非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とします。それらの病変により腹痛や下痢、血便、、腹痛、痔ろうなどが生じます。

重症例における対応について

潰瘍性大腸炎の治療には、薬物療法、食事療法、手術などがありますが、基本的には薬物療法が行われます。
薬物療法は5-ASA製剤を基準薬として、重症度や病変の範囲、過去のお薬への反応性などに応じて、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を組み合わせて使用するコンビネーション療法が行われます。

 

特に重症の患者さんには、ステロイド療法基本となります。
また、ステロイドの投与で改善されない場合は、TNF-α抗体等を点滴で投与する治療などが行われます。
(投与は2ヶ月に1回程度となり、以降継続して行われます。)

よくあるご質問

この病気はどのような人に多いのですか
潰瘍性大腸炎の発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳にみられますが、若年者から高齢者まで発症します。男女比は1:1で性別に差はありません。喫煙をする人はしない人と比べて発病しにくいと言われています。
また、クローン病の10歳代~20歳代の若年者に好発します。発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳が最も多くみられます。男性と女性の比は、約2:1と男性に多くみられます。
この病気は遺伝するのですか
潰瘍性大腸炎は家族内での発症も認められており、何らかの遺伝的因子が関与していると考えられています。欧米では患者さんの約20%に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎あるいはクローン病)の近親者がいると報告されています。近年、世界中の研究者によりこの病気の原因を含めた特異的な遺伝子の探索が続けられていますが、現時点では遺伝に関する明解な回答は得られていません。遺伝的要因と食生活などの環境要因などが複雑に絡み合って発病するものと考えられています。

また、クローン病は遺伝病ではありません。しかし、人種や地域によって発症する頻度が異なり、また家系内発症もみとめられることから、遺伝的な因子の関与が考えられています。クローン病を引き起こす可能性の高い遺伝子がいくつか報告されていますが、現在のところ、単一の遺伝子と関連して発症するのではなく、いくつかの遺伝子と環境因子などが複雑に絡み合って発症していると考えられています。
治療中・治療後はどのような注意が必要ですか
潰瘍性大腸炎は、多くの患者さんでは症状の改善や消失(寛解)が認められますが、再発する場合も多く、寛解を維持するために継続的な内科治療が必要です。また、あらゆる内科治療で寛解とならずに手術が必要となる患者さんもいます。また、発病して7-8年すると大腸癌を合併する患者さんが出てきますので、そのような患者さんでは、症状がなくても定期的な内視鏡検査が必要になります。しかし、実際に、一生のうちに大腸癌を合併する患者さんはごく一部です。

クローン病は、ほとんどの患者さんが、一生のうちに一度は、外科手術が必要になると言われてきました。近年の治療の進歩により、将来は、手術をする患者さんが減ってくる可能性があります。多くの患者さんで、寛解導入は難しくなくなっていますが、症状が落ち着いていても、病気は進行すると言われています。治療を継続しつつ、定期的な画像検査などの病気の状態を把握することはきわめて大切です。

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